はじめに
最近の就活は非常に複雑化しています。
書類選考から6次選考まである企業もあり、本当に精査して学生を採用しようという企業の意図が見えます。
なぜ企業はそこまで費用と時間をかけて就活生を選ぶのでしょうか。それは学生の真の部分を見たいからです。
昨今の就活事情から就職活動の対策書、いわゆる就活本が大量に出回っています。そして多くの就活生はその就活本を読んで就活の対策を行います。
就活本には以下のようなおおよそ同じことが説明されています。
- 「私はリーダー役になることが多いです」
- 「私はとてもポジティブに物事を捉えます」
- 「私は積極的に行動し発言するタイプです」
とにかく前向きに、明るい性格であることを意識することが前提として説明されています。これを読んだ学生はそういうタイプではないのに無理矢理このタイプに合わせようとします。
その結果、就活生はほとんど同じような言動になってしまいます。
つまり多くの就活生は内定を得るために猫をかぶっているのです。
企業側からすると、全ての学生が同じように見えるのです。そのため、企業は費用と時間をかけて就活生を選ぶのです。
しかし企業の面接官や人事は今までに数多くの就活生を見てきています。そして就活において数多くの嘘をついている就活生を見てきています。
つまり就活生は猫をかぶっていても最終的にはバレると言うことです。
猫をかぶっていることがバレた時点で、その就活生は落ちます。
就活はマニュアルではなく、個人をアピールしていくことが重要になります。
そこ個人をアピールする最初のツールがES、エントリーシートになります。
ESさえ通らない就活生の共通点
企業の選考でまず最初の関門が、このES(エントリーシート)です。
エントリーシートとは企業側に軽く自己紹介をするようなものです。
私はこのような人物です、このような考え方を持っていますなど、自分の一部分を相手に伝えるものがエントリーシートです。
多くの企業側は就活生にまずエントリーシートの提出を求めます。志望動機を300字以内で示せ、学業以外で頑張ったこと、自己アピールなど様々な内容を求めてきます。
その少ない文面の中でいかに企業でアピール出来るかが最初の鍵です。
私はこれまでに多くの就活生のESを添削しておりますが、正直のところ、最初に見せてもらうESには突っ込みどころが満載です。
これを企業に提出していたら確実に落ちていただろうなと思うような内容のものがほとんどです。
下記ではまず選考に通らないESの共通点を説明していきます。
文章が成立していない
これは小学生の頃に教わったことだと思います。しかし小学校に習ったことでさえ出来ていない就活生が多いのです。
日本語の基本形は「主語+目的語+動詞」です。例えば「私は(主語)英語を(目的語)勉強する(動詞)」です。
英語では「主語+動詞+目的語」というように主語の後に動詞が来ますが、日本語は動詞が最後に来ます。
これが日本語の一般的な文型であり、一番綺麗に読むことが出来る文型です。
この日本語の基本を守っていないESをよく見ます。
次の一文を見てください。
「大学の授業では経済学をミクロの観点から学ぶことによって、経済の景気を判断する要素にもなる。」
??となりませんか。
これは私が実際に添削したESを一部改定したものです。この文章では結局何が言いたいのか分かりません。
前半の部分を読んで、大学の授業で学んだことを入社してから活かしたいという流れになるのかと思ったら全然違いました。
この文章では前半と後半の繋がりが分かりにくく、読み手としては読みにくい文章になります。
読みにくい文章を書くということは、入社してからも分かりにくい資料を作ると想定され、次に選考には進めません。
このように文の成り立っていないESを出すと、すぐに落とされます。
誤字脱字が多すぎる
これは社会人としては最悪の行為です。
誤字脱字は確認さえすれば確実に防ぐことが出来るミスです。しかし実際のところ、誤字脱字をしているESをよく見ます。
誤字脱字が多いということは、発信する前の確認を怠っているということです。
これではせっかくいい内容の資料やプレゼンを作ったとしても、社内で採用されることはありませんし、また取引先にも悪印象を与えてしまいます。
誤字脱字はその後を左右するくらい重要なことなのですが、就活生はそこまで大きく考えていないのが事実です。
誤字脱字がある時点で、もう落ちたも同然と考えても問題無いです。それくらい誤字脱字というのは重要なのです。
条件を満たしていない
これはもう論外です。そもそも条件を満たしていないESは確実に落ちます。条件を満たしていないということはルールを守ることが出来ないと言うことです。
例えば会社で週末までに提出するようにと言われている書類があったとしましょう。それを週明けに出すことは許されますか。
社会人の方は分かるかと思いますが、これは絶対に許されません。期日というのは確実に守らなくてはいけません。
たとえどんな理由があろうと、期日にはしっかり提出をする必要があるのです。
ESの場合は提出期限と文字数をまずは確認しましょう。
提出期限はもちろんですが、文字数を守っていない就活生がたまにいます。文字数を守っていないということはルールを守っていないと同じことなので、そのまま提出すると確実に落ちます。
社会では長々しい説明は嫌われます。端的な文で的確に伝えることが求められます。
いかに文字数を少なくして、いかに具体的に伝えることが出来るかがポイントです。
社会人と学生の意識の違い
社会人と学生の一番の違いは何だと思いますか。様々な答えがあるとは思いますが、私は仕事への意識の違いだと考えています。
社会人の仕事に対する意識と、学生の仕事に対する意識は大きな違いがあります。そのため、学生の仕事に対する意識のまま就活に臨むと社会人からはまだ子どもだとみなされます。
就活を始める前に、社会人の仕事に対する意識とはどのようなものか学ぶ必要があります。
会社はどういう人材が欲しいのか
就活を進める前に、会社はどういう人が欲しいのかということを考えましょう。少し言い換えると自分が上司だとしたら、どんな後輩が欲しいかを考えましょう。
ここを理解できるとESの書き方もかなり変わってきます。
まずはしっかりとルールを守ることが出来る人であることが第一条件です。
社会人として当然ですが書類の提出期日をしっかり守る、社会人としての言葉遣い、気遣い、マナーなど社会人としての身なり行動が出来ることがまずは重要です。
いくら仕事が出来る後輩でも社会人としてのマナーがなっていない人は、後輩として可愛がられることはありません。
社会人としてしっかりと行動できることがまずは大事になります。
学生の考えでは社会人では通用しない
最近の就活生で下記のようなESを書く人がいます。
「仕事もプライベートも充実させたい」
最近の就活本にもこう書くように教えているものもあります。しかしこれはあまり書くべきではありません。
特に大手企業の場合は特にそうです。
大手企業の場合、人事や面接官はおおよそ40代くらいの方が担当します。40代くらいの方というと若い頃はバリバリ仕事をしていた人たちです。仕事を第一に考えることが常識だった時代に仕事を始めた人たちです。
その人たちに向かってプライベートも充実させたいと言ったらどう思われるでしょうか。
プライベートの前にまずは仕事をしっかりしろと突っ込まれることは目に見えています。
仕事はそんな甘くないと言われるに決まっています。
ここに学生と社会人の仕事に対する意識に違いが大きく出て来ます。
入社してやりたいことを書くときの注意点
ESには様々な内容を要求されますが、その中の一つに入社してやりたいことを聞いてくる企業もあります。
多くの就活生はただやりたいことを書いています。しかしそこでただやりたいことを書いても意味がありません。
ここでもしっかりと社会人として書くことが大切なのです。
ただやりたいことを書いてもアピール0で終わる
やりたいことを書くようにと言われているのだから、やりたいことを書いてもいいのではと思うかもしれません。
しかしただやりたいことを書くのであれば、小学生の作文と同じです。企業の人事はそんな小学生の作文のようなものは期待していません。
実現可能性と収益性を考えてやりたいことを書く
ESで入社後にやりたいことを書く場合、そのやりたいことの実現可能性と収益性をしっかりと考えましょう。
いくらいい内容のことであっても、それが実現出来ないものであったら全く意味がありません。その会社で実現できることでなければ、企業が人を雇う意味がなくなります。
そして実現可能性と併せて収益性もしっかりと考えなければいけません。いくら面白いことであっても、それが会社の利益につながらないことは会社も実行しようとは思いません。
ESでやりたいことを書く場合には、そのやりたいことの実現可能性と収益性を意識しましょう。
会社が一番重視していること
就活生の皆さん、会社が一番重視していることは何だと思いますか。
それは会社に利益を残すことです。会社はいかに利益を残すかを最優先します。
つまり利益に繋がらないことは基本的に考えません。
したがってESでたとえ面白いことを書いていたとしても、それが利益を取れないのであれば全くのプラス要素にはならないのです。
就活生にはここの意識がほとんどありません。多くの就活生は今までその企業がやって来なかったことを私はやりたいということしか考えません。
しかしそれだけではダメです。そこにしっかりと利益を残せるということをアピールする必要があります。
そもそも企業の最優先事項が利益であるということを知らない就活生も多いです。
それも無理はありません。就活本にはこういうことはあまり書いていません。
社会人目線からではないと分からないことだからです。
この部分を意識しているかしていないかで、就活に対する意識が変わってきます。
学生意識からの脱却
上記で述べてきたように、ESに限らずですが就活のコツはいかに社会人の意識を掴めるかにあります。
いつまでも学生の意識で就活をしていても、内定を得ることは出来ません。
企業は学生を欲しいのではありません。
企業に利益をもたらす事ができる人材が欲しいのです。
そこをいかにアピール出来るかで、就活の結果も大きく変わってきます。
ではどうやって社会人の意識を学ぶのか。
それは現役の社会人と話すしかありません。
いくら学生同士で話し合っても、学生の意識でしかありません。
現役の社会人と話すことにより始めて社会人の意識を知ることが出来ます。
充実した就活を行いたい学生は、社会人の方と話す機会を設けましょう。
OB・OG訪問、サークルの先輩、バイト先の上司、誰でも構いません。
実際に社会人と話して、社会人としての仕事への意識を学びましょう。
選考通過するESを書くには
上記でも述べてきましたが、就活の選考で通りやすくなるESを書くコツはもうお分かりになりましたでしょうか。
そう、答えは学生目線ではなく社会人目線で書くということです。
学生目線ではつい子供っぽい内容のESになってしまい、選考にも通りにくくなってしまいます。
社会人の仕事に対する意識を学び、社会人としてのESを書くように心がけましょう。
こうすることにより、ESの選考通過率は大幅に上昇します。
学生目線ではなく社会人目線です。
【期間限定】就活生への無料キャンペーン
当ブログでは2016年4月20日現在、期間限定で先着5名の方に就活生応援キャンペーンを実施しております。
詳しい内容は下記のページをご確認ください。

コメント