子どもがどれだけ勉強をしても成績が上がらない、定期テストの点数が伸びないと言うことはよくあることです。
子どもやその親御さんからすれば、なぜ勉強が出来るようにならないのか分からないと思います。
しかしその理由は意外と簡単なのです。本記事ではなぜ勉強しても成績が上がらないのか、その理由を説明していきます。
いくら勉強しても子どもの成績が上がらない
子どもには勉強して欲しい。勉強して良い高校に行って、良い大学に行って、良い会社に入って欲しい。
こう思う親御さんは多いと思います。実際にいずれ私に子どもができたら、私もこうなって欲しいと思うでしょう。
しかしほとんどの子どもは勉強が嫌いです。自分から進んで勉強しようとする子どもは全体の5%くらいではないでしょうか。
なぜ子どもが勉強が嫌いかというと、それは面倒くさいからです。
勉強しても別に何ももらえる訳ではない。勉強しなくても生きて行ける、親に助けてもらえば何とかなる。
子どもは頭の中で必ずこのように思っています。
そのため子どもは勉強の必要性を感じません。
また勉強には終わりがありません。
せっかく猛勉強して数学の1次関数をマスターしても、すぐに次の単元の合同がやってきます。
さらに勉強したからといってすぐに成績に結びつく訳ではありません。成績に影響が出始めるのは、個人差はありますがおおよそ3ヶ月です。
子どもは行動してすぐに結果が出ないと、それはつまらないことと捉えます。
よって勉強もすぐには結果がでないため、つまらないものになります。
このように子どもは勉強が嫌いで、多くの子どもは嫌々、仕方なく勉強をしています。実際に私が今までに見たきた生徒の9割は勉強嫌いでした。
嫌々勉強をしていても、成績はいつになっても向上しません。
仮に定期試験の点数が上がったとしても、それは一時的に点数が上がっただけであり、模擬テストや実力テストでは必ず点数は下がってしまいます。
勉強しても成績が上がらない理由:間違った勉強法をしている
勉強しても成績が上がらない理由は主に二つです。
そもそも勉強をしていないか、それとも間違った勉強法をしているかです。
勉強をしないから成績が伸びないのは誰もが分かると思いますが、それは論外です。
大事なのは間違った勉強法をしているということに気付かないことです。
間違った勉強法をしていては、いつまでたっても成績は伸びません。
言ってしまえば時間の無駄です。
ただでさえ時間を取られてしまう勉強なのに、それが時間の無駄となったら子どもはより一層勉強の意義が分からなくなります。そしてより机に向かうのが嫌になります。
それでは間違った勉強法とはどんな勉強法なのか、下記で説明して行きます。
間違った勉強法:学校や塾から出された宿題だけする
宿題をしたから勉強をしたと勘違いしている子どもがいますが、これは大きな間違いです。
確かに宿題をすることは素晴らしいことです。学校の提出物をして提出することは、成績にも関わることでありとても重要です。
しかし宿題を終わらせたから勉強をしたということにはなりません。宿題はあくまで勉強する一つのツールです。宿題だけやっていれば東大に入れるなんてことはありえません。
宿題以外にプラスαで勉強すること、そして勉強したことを実践問題で活用出来るように覚えることが本当の勉強です。
宿題の問題の中には100%理解出来なかった問題があるかもしれません。もしそういう問題があったら教科書や参考書でその問題の解き方を自分で調べるのです。今の時代ではネットで調べることも有効です。
問題の解き方や考え方を調べて理解し、そして似たような問題を実際に解くことでやっと理解ができ、勉強したことになります。
ここまで行って初めて勉強ということが出来ます。多くの子どもはここまで実行せずに宿題だけやって終わりというパターンや、分からない問題はとりあえず答えだけ写すという場合がほとんどです。
それでは勉強とは言えません。学校や塾からの宿題はあくまで勉強するための一つのツールとして捉えましょう。
間違った勉強法:問題を解くことが自己目的化している
二つ目の間違った勉強法とは、問題を解くことが目的化されているということです。目的化とは本来手段であるべきことが目的になってしまう、いわば手段と目的の逆転現象となります。「自己目的化」や「手段の目的化」とも言われます。
宿題もそうですが、とにかく問題を解けば勉強したと思っている子どももいます。これも大きな間違いです。
問題を解くこと事体は悪くありません。むしろ勉強するのに必要な行動です。しかし問題を解くことが全てではありません。
問題を解くということは勉強するための一つの手段です。勉強するために問題を解くのです。
しかし多くの子どもは問題を解くことが勉強をしたという勘違いをしています。多くの子どもは宿題を解くことをゴール・目的としています。つまり問題を解くということが目的になっています。
本来、問題を解くというのは問題となっている事象を理解するために存在するものです。問題はあくまでも事象を理解するための一つの道具なのです。
したがって問題を解いたからそれで勉強したという認識は誤りです。
間違った勉強法:ノートを綺麗に書く
子どもは学校の先生が黒板に書くことを綺麗にノートにとります。これで勉強をしたと勘違いしています。
確かにノートをキレイに取ることはいいことです。後でノートを見直した時に見やすいですし、友達に見せるときにも綺麗な字の方が見やすいと思います。
ノートを取るということは、重要なところを意識し理解するためにノートを取るのです。
しかしノートを綺麗に取ることに意識が行ってしまい、本来はその内容を意識しながらノートを取るべきなのにそれが出来ていない子どもが多いのです。
これでは決して勉強したとは言えません。それはただノートを綺麗に書いているだけです。部屋の掃除をしているだけです。
せっかく部屋の掃除をして部屋が綺麗になったのに、どこに何を置いたか分からなかったらまた部屋を散らかしてモノを探すことになります。それではせっかく部屋を片付けて綺麗にしたのに意味が無いですよね。
ノートを取るということもこれと同じです。ただノートを取るだけでは意味が無いのです。重要な箇所を意識しながら、次に自分でノートを見た時に、一目で大事な箇所が分かるようにノートを取ることが大事なのです。
これが顕著に表れるのが数学です。
私の生徒の中にも数学の途中計算をとても丁寧に綺麗な数字で書いている生徒がいます。そのこと自体は決して悪くはありません。むしろ答え合わせがしやすく助かります。
しかし見た目ばかり意識して、本当に重要な部分が抜けています。数学の勉強は計算をすることではありません。問題の重要な解き方や計算方法を覚えて活用することが数学の勉強です。
その重要な計算方法や解き方をノートに書くべきなのに、ほとんどの生徒はそれを飛ばしていきなり答えや次の途中計算に進みます。
そして後日同じ問題を解こうとした時に、解き方が分からないという事体になります。ノートを見ていいよと自分で考えさすのですが、生徒は自分のノートを見ても解き方が分からないというのです。
これではせっかく丁寧に書いても意味がないです。見た目を綺麗にするということに労力を使いすぎて、解き方や計算方法を理解していないのです。
全く意味のない勉強です。もしそのノートを一生使うのであれば、丁寧に書いた方が良いと思います。しかし中学校や高校で使うノートは、一般的にはすぐに捨てます。
すぐに捨てるものにそんなに時間をかける必要はありますか。むしろ他のことに時間を割いた方が良くないですか。
ノートを綺麗に取ることが勉強と思っている子どもが多くいますが、これは正しい勉強ではなく、間違った勉強です。
正しい勉強法
上記で間違った勉強法を説明してきました。勉強しても成績が伸びないと悩んでいる中学生や高校生、またその親御さんは子どもにどれか当てはまっていると思います。
そんな間違った勉強法をしていてもいつまでも成績は伸びません。正しい勉強法をして、効率よく成績を伸ばしていく方がいいです。
それでは下記で正しい勉強法の一部をご紹介します。
正しい勉強法:問題集には直接書き込まない
正しい勉強法の一つは問題集には直接書き込まないということです。
問題集に直接書き込んでしまうと、その問題集はそれっきりになってしまうからです。また次にその問題集で勉強しようとしたときに、既に答えが書いてあれば答えが見えてしまい勉強になりません。
人は答えを見ないように使用と思っていても、つい見てしまうものです。そのため、一度問題集に答えを書き込んでしまうと、次に解く時に答えが見えてしまい勉強になりません。つまりもうその問題集は使用済みのものとなり、もう活用出来なくなります。
そのために問題集には絶対に書き込まないようにしましょう。問題集で問題を確認し、答えはノートに書く。もしくは問題集をコピーして、そのコピーした方に書き込むようにしましょう。
正しい勉強法:鉛筆・シャーペンは使わない
二つ目の正しい勉強法は鉛筆とシャーペンを使わないということです。
多くの中学生や高校生は勉強する時にシャーペンを使います。提出物に関してはシャーペンで書いても問題はありません。
しかし勉強をするときにはシャーペンや鉛筆は使わないようにしましょう。
シャーペンや鉛筆の良いところは、書いたものを消せるということです。勉強していると漢字や数字や図など消して訂正したいときがよくあります。
シャーペンや鉛筆はそういう時に消せるのが良いところですが、しかしそれが良くない点もあります。
それは自分の間違えたところを消してしまうということです。
人はミスをした後にしっかりと反省することによって、大きく成長します。それを繰り返すことによって、どんどん立派な人に成長します。
勉強もそれと同じです。問題を間違えた後にしっかりと解き方や考え方を理解することにより、どんどん知識が広がっていきます。
しかしそこで自分の間違いを消してしまい正しい答えを書いてしまうと、自分がどういう間違いをしたのかが分からなくなってしまいます。そして自分がどこで間違えたのかを理解せずにいると、次同じ問題を解いた時にも同じミスをします。
同じ問題で同じミスをしていたら、いつまでも成績は上がりません。
自分のミスをしっかりと把握するためにも、シャーペンや鉛筆は使わないようにしましょう。
まとめ
この記事では勉強しても成績が上がらない理由や間違った勉強法、正しい勉強法を説明しました。この記事をお読みの方は、おそらく勉強しても成績が上がらないという中学生や高校生、また子どもの成績が上がらないことを心配している親御さんが多いと思います。
その方は今一度、自分の、または子どもの勉強法を見直してみましょう。
おそらくこの記事で説明したことに当てはまっていると思います。
間違った勉強法を続けていては、これから先も成績が上がることはありません。しっかりと自分の勉強法を見直して、正しい勉強法を行い効率よく成績を上げることを心がけましょう。
コメント
ボールペンで勉強したことがありません。
その方が効率がいいと思うのでやってみます。
ボールペンでの勉強は手の披露の軽減もできますし、何よりも自分の書いたことが残るというのが一番のメリットです。
自分の間違えたところを消すことができないので、ノートを見るたびに自分のミスを再確認することができます。
ぜひ、一度お試しください。
小学5年の娘です。
育ててきて思うのは、動作が遅い、なんでも時間がかかる、処理能力、暗記力がよわく覚えても忘れやすい。このような子供です。
でも、毎日3時間ぐらいは机について勉強をしています。しかし、成績は下がる一方です。
本人は自信をなくして自分にイライラしているように思います。
多分、勉強のやり方が悪いと思います。どうしたらいいでしょうか?教えてください。
人間はたとえその場では覚えても、翌日には約75%忘れています。
そのため、しっかりと勉強しても基本はすぐに忘れます。
そこで大事になってくるのが復習です。
復習をすることにより忘却率は低くなり、また長期記憶にもなりやすくなります。
小学生で1日3時間の勉強量はとても頑張っていると思います。
その3時間の中で、どういった勉強をしているのかをまずは整理してください。
もし新しい勉強を3時間ずっとしているのだとしたら、その半分を復習に当てるなど工夫してみると変わってくると思います。